湘南の海沿いの街並みや自然が魅力的な地域ですが、その一方で「ランドクルーザー」などの高級SUV(以下ランクル)の盗難被害が近年目立つようになっています。
高額でリセール価値が高いこと、外見や機能が盗難犯の標的になりやすいことなどが背景にあるとされています。
本記事では、湘南地域におけるランクル盗難の現状から、原因、手口、防犯対策、おすすめの商品、そして実際の被害者の声まで総合的に解説します。オーナーの方が「万一」に備え、安全なカーライフを送るためのヒントが詰まっています。
湘南地域におけるランクル盗難の現状

湘南でのランクル盗難件数の推移
湘南を含む神奈川県では、近年ランクルを含む高級SUVの盗難被害が増加傾向にあります。警察資料や自治体発表をもとにしたデータでは、2018年頃までは年間数件程度だったランクル盗難が、2022〜2024年にかけて倍増〜三倍増している地域もあります。
沿岸部の駐車スペースや観光地近辺、駅近くの路上駐車など、監視が薄い場所での被害が多く報告されており、被害時間帯は夜間〜深夜、明け方にかけてが目立ちます。
最近の盗難手口とその傾向

最新の盗難手口としては、車両のキーをスマートキー複製する技術、リレーアタック(電波を中継して車のロックを解除する手法)、鍵穴を物理的に壊す、ジャッキアップしてタイヤを外す盗み、部品盗難(ホイール、ドアミラーなど)が増えています。
また、防犯装置がついているにも関わらず、監視が届かない駐車場所や、一時的な不在時を狙われるケースも多いことが確認されています。

ランクル盗難の主な原因とは
人気車種としてのランクルの魅力

ランクルは堅牢性・オフロード性能・乗り心地・ブランドイメージなどが非常に高く評価されており、中古市場での流通価格も高いことで知られています。
さらに、パーツ供給やカスタマイズパーツの需要が大きいため、装飾パーツや純正アクセサリーなどが盗難対象となることもあります。この「高価値」が車そのもの、あるいは部品単位での魅力を生み、盗難リスクを高めています。
盗難犯が狙う理由

盗難犯がランクルを狙う理由には複数あります。まず、ブランド力と流通価値の高さ。盗難後、部品ごとに売却しやすいこと。次に、スマートキーシステムなど先進的な機能が搭載されていながら、それらを突破する方法(リレーアタックや電子キーの複製等)が広まりつつあること。また、監視の甘い場所や暗所、夜間の無人状況が多いことも狙われやすい理由です。
湘南でのランクル盗難防止対策
効果的なカーセキュリティの選び方

カーセキュリティを選ぶ際には、まず防犯評価の高いものを選ぶことが大切です。アラームだけでなく、エンジンカット機能、GPS追跡機能、スマートキー拒否機能など多層防御ができるものが望ましいです。リレーアタック防止カバーや電波遮断ポーチも有効。設置の際には、専門業者による施工を選ぶと取り付け不備による隙が減ります。
駐車場選びのポイント

駐車場所も盗難リスクを左右します。できるだけ人通りが多く、夜間の明るさが十分な場所を選ぶこと。監視カメラがある駐車場や施錠ゲート付き施設、オートロック付きマンションの屋根付き駐車場などが望ましいです。また、駐車時には車の向きや位置を工夫し、逃げ道を塞ぐような配置をするのもひとつの工夫です。
実際の盗難事例とその対策
湘南で発生した被害事例
事例1:藤沢市 辻堂|ルーフキャリア付きプラドが盗難
発生日時:2025年6月23日深夜〜6月24日早朝(0:00〜4:00頃)
場所:藤沢市辻堂・住宅街の月極駐車場
車種・特徴:トヨタ・ランドクルーザープラド TX(2019年式)・白・ルーフキャリア(YAKIMA)付き・リアに「BABY IN CAR」ステッカー
防犯対策:ハンドルロック・AirTag装着・防犯カメラあり
手口:
- 犯人は深夜に徒歩で接近し、2人組で作業。
- ハンドルロックを電動工具で切断。
- 車両のスマートキー電波を拾った可能性あり(リレーアタックも疑い)。
- 犯行時間は数分以内、防犯カメラには黒服の男2人が写っていたが顔は不明。
事例2:鎌倉市|住宅街でのプラド盗難(詳細非公開)
発生日時:2025年6月27日未明
場所:鎌倉市(詳細未公開)
車種・特徴:トヨタ・ランドクルーザープラド(150系)
防犯状況・手口:詳細は公開されていないが、盗難情報局と警察の通報履歴に記録あり。
補足:報告のみで詳細は非開示となっているが、地域の防犯パトロール強化が行われたことが報告されている。
事例から学ぶ効果的な対策
事例1ではスマートキーの電波遮断やリレーアタック防止ケースがあれば被害を防げた可能性が高いです。事例2では物理的な防護(ホイールロック、ミラー固定ネジ強化など)が有効。事例3のような「鍵をつけっぱなし」のリスクは誰でもできる予防策=鍵を車内に置かない、キーを常に持ち歩くことが根本的な対策です。
ランクルオーナーの声

盗難被害に遭ったオーナーの体験談
「深夜に家を出たとき、ランクルが無くなっていて警察に通報した」「駐車場でサイドミラーが外されただけでもショックが大きかった」など、実際に被害を受けたオーナーからは「予想以上に手際が良かった」「犯人は見えない場所から侵入していた」という声が聞かれます。このような体験談は盗難の“どこで何が甘かったか”を知る良い手がかりになります。
盗難防止対策の実践例
あるオーナーは、スマートキーを常に遮断ポーチに入れ、車庫にセンサーライトを設け、ステアリングロックも常設。別の方は、GPS追跡システムを導入後、「盗難未遂」があった際に通知が来て被害を免れたとのこと。また、近所での地域見守り活動を利用し、駐車場を共有して声をかけ合うという地元コミュニティの協力も効果を感じているようです。

まとめ
湘南地域におけるランクルの盗難被害は、「数」「手口」「狙われ方」いずれも変化しています。人気車ゆえのブランド力や付属パーツ、スマートキーの弱点などが犯罪側に隙を与えています。
しかし、適切なカーセキュリティ機器の導入、駐車場所の工夫、物理的なロックや電波遮断などの基本的対策を組み合わせることでかなり防げる被害です。
被害を受けたオーナーの実体験を参考にしながら、「起こらないためにできること」を一つひとつ実践していきましょう。