トヨタ・ランドクルーザー70(ランクル70)は、発売から40年近く経った今もなお、世界中で高い人気を誇る本格クロカンSUVです。
日本では過去に限定的な再販があったものの、現在は正規販売されていないため、新車を手に入れるには海外仕様の「逆輸入」が選択肢となります。
中東やオーストラリアでは今も新型が販売されており、エンジンや装備も日本仕様とは異なる魅力を備えています。
本記事では、ランクル70の逆輸入における基本知識から、仕様の違い、価格、購入時の注意点まで、やさしく詳しく解説していきます。

逆輸入車の基本的な特徴
ランクル70は1984年から長きにわたり生産が続けられているトヨタの名車であり、現在も中東やオーストラリアなどで新車として販売されています。
日本国内では一部限定的に再販された経緯がありますが、継続的な国内販売は行われていないため、最新モデルを手に入れるには逆輸入という手段が必要になります。
逆輸入車は、日本未発売の仕様やグレードを選べるというメリットがあり、他人とは違う特別感を求めるユーザーにとって非常に魅力的です。
ボディタイプのバリエーションや装備内容も豊富で、目的に合わせて最適な一台を選ぶ楽しみがあります。
中東仕様とオーストラリア仕様の違い

中東仕様は過酷な環境での使用を前提に設計されており、V8ディーゼルエンジンを搭載し、強化された冷却性能やエアインテーク、シュノーケル、頑丈なバンパーなどが標準装備されています。
一方、オーストラリア仕様はアウトバックなどの長距離走行や作業用として設計され、サスペンションや燃料タンクの容量、安全装備に違いがあります。
また、近年では2.8L直列4気筒ターボディーゼルエンジンを搭載した新型も登場しており、燃費性能とパワーを両立させた仕様も選択可能です。
ランクル70のスペックと性能

エンジンとトランスミッションの詳細
オーストラリア仕様では主に2種類のエンジンが用意されています。従来の4.5L V8ディーゼルエンジンは、最大トルク430Nm、出力約205馬力と力強く、重量のある車体でも余裕の走りを可能にします。
新たに追加された2.8L直列4気筒ターボディーゼルエンジンは、151kW(約205馬力)、トルクは500Nmと、V8に匹敵する性能を発揮します。
これに5速マニュアルまたは6速オートマチックのトランスミッションが組み合わされており、用途や好みに応じて選択できます。
燃費性能と走行性能の評価

V8エンジン搭載車はパワーに優れる一方で、燃費性能はやや劣る傾向があります。それに対し、2.8L直4エンジン搭載モデルは、燃費とトルクのバランスが取れており、経済性と走破性を両立しています。
また、どちらのモデルもラダーフレーム構造による高い剛性と悪路走破性を持ち、過酷な地形でも安定した走行が可能です。
長距離ドライブやキャンプ、林道走行など、多用途に応じた運用ができる点が高く評価されています。
装備・オプションの選び方
標準装備とオプションの比較
逆輸入モデルは現地仕様により標準装備が異なりますが、シュノーケル、前後デフロック、大型燃料タンク、頑丈なスチールバンパーなどが装備されているケースが多く、日本仕様にはない豪華な内容となっています。
これらの装備は特にオフロードでの走行や長距離移動時にその性能を発揮します。対して、日本仕様ではこれらの多くがオプション設定であり、装着には追加費用がかかることが一般的です。
カスタマイズオプションの最新トレンド

近年、逆輸入ランクル70の人気に伴い、ルーフトップテントやLEDライトバー、強化サスペンションなどのカスタマイズも注目されています。
オーストラリアでは、車中泊やキャンプに対応した車両架装が多く見られ、実用性と趣味性を兼ね備えたスタイルが流行しています。
日本国内でもこれらのスタイルを取り入れたカスタム事例が増えており、自分だけの一台を作り上げる楽しみがあります。
ランクル70の価格と流通状況

オーストラリアでの現地価格と特徴
オーストラリア国内での新車価格は仕様やグレードにより異なりますが、おおむね600万〜800万円程度が相場です。
現地では作業車両としての需要も高く、実用性を重視した仕様が多く流通しています。加えて、安全装備の充実やAT設定の追加により、従来よりも快適な走行が可能となっている点も見逃せません。
逆輸入車の価格比較と選択肢
逆輸入には本体価格に加え、輸送費、通関手数料、改造費用、登録費用などが必要です。
これらを含めると、トータルコストは800万円〜1000万円前後となるケースが多いです。とはいえ、装備内容や使用状況、車両の状態によって価格差は大きく、日本国内では手に入らないモデルを選べることが最大の魅力です。
購入時の注意点と業者選び
信頼できる業者の見極め方
逆輸入車は専門的な手続きや改造が必要となるため、輸入実績のある信頼性の高い業者を選ぶことが不可欠です。
具体的には、排ガス規制への対応実績があるか、構造変更や登録手続きに精通しているか、納車後のアフターサービスが整っているかを確認することが大切です。また、見積もりに含まれる項目の明確さも業者選びの重要な判断基準となります。

逆輸入車の登録手続きと法規制
日本国内で逆輸入車を登録するためには、保安基準への適合が求められます。
ヘッドライトの光軸調整やウインカーの色変更、排ガス規制への適合処置などが必要で、これらの改造には数十万円の費用がかかることもあります。また、登録までに数ヶ月かかる場合もあるため、納期を見越して計画的に準備を進めることが重要です。

ランクル70の最新情報とトレンド
納期の最新情報と噂の真相
2025年モデルでは、手動トランスミッションの再採用や新たな安全装備の追加が発表され、話題となっています。
オーストラリアでは依然として人気が高く、生産数に限りがあるため、納車までに数ヶ月以上を要するケースも少なくありません。また、グローバルな需要の高まりにより、今後も納期に関する情報は注意深くチェックする必要があります。
盗難率と対策法

ランクル70は中古車市場でも高い価値を維持しており、その希少性から盗難のリスクもあります。とくに、海外仕様のパーツは換金性が高く、狙われやすい傾向にあります。そのため、GPS追跡装置やステアリングロックの装着、防犯カメラの導入など、複数の防犯対策を組み合わせておくことが推奨されます。
まとめ
ランクル70の逆輸入は、日本未導入の多彩なグレードや装備を選べる点で、アウトドアやオフロードを愛するユーザーにとって大きな魅力となります。
中東仕様・オーストラリア仕様それぞれに特長があり、自分の用途やこだわりに応じて理想の一台を手にすることができます。費用や手続きのハードルはありますが、その価値は十分にあります。
信頼できる業者と連携し、万全の準備で逆輸入を進めることが成功のカギと言えるでしょう。