車が盗まれた場合、ただ待つだけではなく、適切な廃車手続きを進めることが非常に重要です。盗難車を放置しておくと税金や保険料、登録費用が発生し続け、法的責任や経済的負担が増える可能性があります。
本記事では、盗難車の廃車手続きが必要な理由と、その流れ、必要書類、費用、廃車後の対応方法をわかりやすく解説します。
盗難車の廃車手続きが必要な理由
盗難車を放置するリスク
盗難された車を放置したままにすると、自動車税・重量税をはじめとする税金が課税されつづけます。また、第三者がその車を使用して事故を起こした場合、法的責任が問われる可能性があるため、速やかな対応が必要です。

廃車手続きによる税金の軽減
廃車のために一時抹消登録を行えば、翌年度以降の自動車税や重量税を抑えることができます。さらに、自動車取得税や環境性能割といった将来発生する可能性のある負担を回避でき、経済的なメリットもあります。

盗難車の廃車手続きの流れ
警察への盗難届の提出
まず最寄りの警察署に盗難届を提出し、受理番号を取得します。この盗難届は、後続の一時抹消登録手続きにおいて必要な証明書となります。

陸運局での一時抹消登録
盗難届の受理番号と必要書類を持参し、陸運局で「一時抹消登録」の手続きを行います。これにより、車両の登録状態が「抹消済」となり、税金の課税対象外となります。
必要書類の準備と提出
一時抹消登録を行うには、盗難届の受理証明書、車検証または登録事項証明書、印鑑登録証明書と実印などが必要です。それぞれの書類は最新のものであるか確認し、紛失がないように事前に準備しておくことが重要です。

盗難車の廃車手続きに必要な書類
車検証または登録事項証明書
車検証を紛失している場合は、陸運局で登録事項証明書を交付してもらうことで代用できます。どちらか一方があれば手続き可能です。
盗難届の受理番号
警察署で提出した盗難届には「受理番号」が付与されます。この番号は一時抹消登録に必須であり、忘れずに準備してください。
印鑑登録証明書と実印
印鑑登録のある実印と、その証明書が必要です。代理人が手続きをする場合には委任状も必要になります。
盗難車の廃車手続きにかかる費用
一時抹消登録の手数料
一時抹消登録の手数料は陸運局で支払うもので、比較的安価(数百円)ですが、必須です。印紙代なども含めて準備しておきましょう。
その他の関連費用
登録種類の証明書再発行や委任状取得、改めての抹消証明書取得などが必要になる場合には、別途数千円〜数万円の費用が発生することもあります。銀行や郵送代なども考慮に入れておくと安心です。
盗難車の廃車後の対応
車が戻ってきた場合の手続き
万が一車両が発見・返還された場合は、再登録(車両の復活登録)が必要になります。再登録には、一時抹消登録時の証明書や車検証、その他適切な書類が必要です。迅速に陸運局で手続きを行いましょう。
保険金の請求方法
盗難保険等に加入している場合は、盗難届の受理証明書および抹消登録証明書を保険会社に提出し、保険金請求を行えます。保険契約時の条件により補償内容が異なるため、契約内容を事前に確認してください。
よくある質問とその回答

盗難車の廃車手続きはどのくらい時間がかかる?
盗難届提出から一時抹消登録完了まで、通常は数日〜数週間程度で完了します。ただし、書類不備があると手続きが遅れることもあるため、事前に必要書類をチェックしておくことが重要です。
ローンが残っている場合の対処法
盗難車に対して未払いのローンがある場合、廃車手続きを完了しても債権は残ります。ローン会社に連絡し、残債の精算計画や代替車両の所有方法について協議する必要があります。

盗難車の廃車手続きに関するトラブル事例
たとえば、盗難届を提出した後に車両が発見されずに長期間放置され、税金や保険が延滞されたケースや、業者の登録手続きミスにより車両が正式に抹消されず、再起動できなかった事例などがあります。信頼できる手続きを進めることが重要です。
まとめ
盗難車を放置したままにすると、税金や保険負担が継続され、法的リスクや無駄なコスト負担が長引く恐れがあります。盗難届を提出し、一時抹消登録を速やかに行うことで、税金軽減や安心の確保につながります。必要書類や費用、再発見時の手続きについても正しく把握し、信頼できる役所や専門機関と連携して適切に対応することが望ましいでしょう。