トヨタ ランドクルーザー70、通称「ナナマル」は、1984年に登場して以来、堅牢性・悪路走破性・信頼性で多くのファンを獲得してきた本格派オフローダーです。
2023年11月、日本でも復活を遂げたことから、改めてその魅力や実用性、ライバル車との違い、中古車市場の動向など、多角的に検証したいという声が高まっています。
本記事では、ナナマル復刻モデルの概要とオーナーによるリアルなレビューをお届けします。「ナナマル」購入を検討中の方は是非参考にしてみてください。
トヨタランドクルーザー70の概要と歴史

ランドクルーザー70の歴史的背景
1984年11月にトヨタから“70”シリーズとして発表され、40系の後継モデルとしてスタートしました。最初は業務用・悪路対応用途をメインターゲットとし、オフロード性能や耐久性が重視された設計で、商用用途や極地・途上国での活用が多くなされてきました。
日本国内では2004年に一旦ディーゼル排ガス規制等をクリアできず、70系の国内販売を終了。
その後、2014年に30周年記念として限定復活。4.0L V6 ガソリンエンジンを搭載し、1年限定モデルとして日本国内で再導入されました。
最近では、日本での再々導入を含め、排ガス基準対応や装備を一部更新したモデルが発表され、オフロードとしての伝統を保ちつつ現代の要求にも応える姿勢が見られます。
復刻モデルの特徴と魅力
新しい復刻/再導入モデルでは、以下のような特徴があります:
- 現代の排ガス規制(ディーゼル・環境規制)や安全基準をある程度クリアするための改良を導入
- エンジン選択肢の見直し:ディーゼル/ガソリン、V6や直4ターボなど市場や用途に応じたラインナップ
- 操縦性・乗り心地の改善。たとえばフロントサスペンションの改良や静粛性の向上など。舗装路での振動・騒音、乗員快適性に配慮されてきている点が評価
- デザイン的にも昔のナナマルらしい角張ったフォルムを保ちつつ、LEDライトなど現代要素を取り込んでいる
「ナナマル」オーナーのリアルなレビューと評価

オーナーレビュー【良い点】
伝統的なスタイルと“ランドクルーザーらしさ”の保持
復刻モデルでも、「質実剛健」「角ばった無骨さ」「レトロなオフロードの雰囲気」を強く感じるという声が多いです。初代70のデザイン要素(丸目ヘッドライト呼び戻し/力強いグリル/樹脂パーツの使い方など)を高く評価する人が多数。

悪路走破性や耐久性
雪道/ぬかるみ/勾配のある未舗装路など、70系本来の性能を求められる場面での強さを実感する意見。デフロックやパートタイム4WDなどの機構が“効く”という体験が添えられているレビューが多いです。
視界の良さ・存在感
車高が高く、ボンネット先端も見えるデザインなので、視界に関して安心感を持つという声。舗装路・街中での存在感も強いとされています。外観の迫力や佇まいを気に入って「これぞナナマル」という所有感を挙げる人が多い。
最新モデルでの改善点
2023年モデルなど復刻再々販モデルでは、燃費向上・燃費表示改善・静粛性の改善・オンロード走行時の乗り心地が以前より改善されたという意見があります。サスペンションのセッティング見直しなども。
オーナーレビュー【悪い点】
乗り心地(舗装路での快適性)
復刻モデルであっても、舗装された道・高速道路での振動・ショック・突き上げ感を指摘するレビューが多数あります。特に前後のサスペンション構造、リジッドアクスル+リーフスプリングの組み合わせが、”オンロード重視”のSUVと比べるとラフという意見。
燃費・維持費の高さ
車重・大きさ・排気量等からくる燃料消費の多さ、税金・車検など諸費用も含めた年間維持費の負担を挙げる人が多いです。WLTC燃費で10.1 km/Lという数値が、街乗り・信号多い環境だと実際はもっと下がるという声。

取り回しの難しさ
全長・全幅・最小回転半径等、サイズが大きいため狭い道・都市部での取り回しに不便さを感じるという意見があります。駐車・街中でのUターンなどが大変、また乗降性にも影響があるという指摘。
内装の質感/装備のシンプルさ
シート素材、エアコンがマニュアル式であること、装飾の少なさなど、「道具感が強い」「豪華さは期待できない」という声。むしろそれを魅力とする人もいるが、快適装備を重視する人には物足りないという反応あり。
価格対価のギャップ
発売価格(480万円前後。仕様・オプションにもよる)と、これらの気になる点とのバランスをどう考えるかが判断の分かれめ、という声があります。購入時に価格が適切か、維持コスト込みでコスパを考えたいとするレビューが見られます。

「ナナマル」購入は用途をしっかり考えて
「ナナマル」はこんな人にピッタリ!
- アウトドアや林道走行、雪道や山間部など、自然の中での使用機会が多い人
- 道具として信頼できる車を長く大切に使いたいと考える人
- 最新装備よりも“運転する楽しさ”や“クルマを操る感覚”を大事にする人
- 無骨で存在感のあるデザイン、機械的なフィーリングを好む人
ナナマル復刻モデルは、「信頼性と実用性を最優先にした、本格オフローダー」と言える存在です。
最新モデルでは、2.8Lディーゼルターボエンジンや6速ATなど現代の技術が導入され、オンロード性能や燃費性能も一定の改善が見られるものの、その本質は変わらず「道なき道を走破するための道具」としての哲学が貫かれています。
ステアリングやサスペンションなど走行フィーリングには昔ながらの重厚感が残されており、舗装路での快適性や先進装備に重きを置く現代SUVとは一線を画します。
言い換えれば、「最新の快適装備や静粛性」よりも、「壊れにくさ」「整備性」「操作する楽しさ」「オフロード性能」を重視する人にこそ適した一台です。
街乗り派なら
逆に、街中中心の生活や、日常使いでの快適性・静粛性・燃費・最新装備を重視する人には、最新版ランクル70やランクル250などがより適した選択肢になるでしょう。
ナナマル復刻モデルは「走る場所を選ばず、確実に目的地へと辿り着ける」信頼性の象徴。そんな価値観に共感する方にこそ、最もフィットするクルマです。


よくある質問(Q&A)
購入前に知っておくべきこと
Q:舗装路を主に走るなら快適か?
A:70は悪路・商用用途前提の設計なので、舗装路では乗り心地・騒音などで「ラグジュアリーSUV」と比較して劣る部分がある。ただし近年の復刻モデルでは改善が進んでいる。
Q:維持費はどのくらいかかる?
A:燃費・部品代・税金・保険等、車両サイズやエンジン種類・使用状況によるが、燃費の点ではあまり経済的とは言えない。オイル・消耗パーツも本格仕様だとコストがかかる。

使用中の疑問と解決策
Q:悪路走行後の下回りの手入れはどうすべき?
A:泥・石・水による蓄積を防ぐため、洗車時に高圧洗浄を使う、シャシーブラックなど防錆剤を塗布する、定期的に点検すること。
Q:燃費を少しでも改善する工夫は?
A:タイヤ空気圧の管理を厳密にすること、不要な荷物を下ろすこと、回転数を低く保つ運転を心がけること、定期点検を怠らないこと。
まとめ
ランドクルーザー70は、その歴史の中で「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」というコンセプトを守り続けてきた、本格オフロード車の代表格です。
復刻モデルでは、現代の規制や快適性にも配慮された改良が加えられており、用途や好みによって十分選択肢となり得ます。
一方で、燃費・乗り心地・装備のモダンさなど、快適性を重視する人にはトレードオフが存在します。購入を考える際は、自分の使い方(オフロードか舗装中心か、荷物はどの程度か、維持可能なコストなど)を明確にし、ユーザーの声・試乗レポートなどを参考にすると納得のいく選択ができるでしょう。