アルファード40系(およびヴェルファイア)は、その高級感や快適性能により多くのドライバーに愛されています。しかし近年、盗難被害も急増しており、特に高リセール・高需要の背景から、窃盗犯による標的となっています。
本記事では、なぜ狙われるのか、どんな手口が使われているのか、そしてどんな対策が有効かを丁寧に解説します。大切な愛車を守るために、ぜひ参考にしてください。

アルファード40系が狙われる理由と最新盗難・防犯対策
アルファード40系が狙われる理由
高いリセールバリューと人気の背景
アルファード40系は、豪華な内装、高級装備、快適性に優れ、中古市場でも安定した高価格で取引されています。
特にSCパッケージやGグレードなどの上級仕様は人気が高く、海外からの需要も強いため、高いリセールバリューが窃盗グループにとって魅力的な狙い目となっています。
また、東南アジア諸国などではアルファードの人気が非常に高く、国内で盗難された後に不正輸出されるケースも見られます。
盗難のターゲットになる理由
警察庁と損保協会の統計によると、アルファードは盗難件数が常に上位に位置しています。例えば2023年には認知件数が700台、保険支払い件数でも364件と高水準です。
2024年〜2025年にかけても、ランキング上位であり続けており、依然として盗難リスクが高い状況にあることがわかります。
アルファード40系の盗難手口を知る
リレーアタックの仕組み
リレーアタックは、リモートキーの電波を増幅させて車両に伝えることで、あたかもキーが近くにあるかのように認識させ、ドアを解錠しエンジン始動を可能にする手口です。特に、家の玄関先などキーが外から近い場所にある場合に狙われやすくなります。

CANインベーダーによる侵入
CANインベーダーは、車の内部通信網(CANバス)に直接侵入し、不正信号を送ってエンジン始動やドア開錠を行う高度な手法です。40系アルファードでは、フロントバンパー付近からECUにアクセスし、わずか数分で乗り出す事例も報告されています。

メーカーの純正盗難防止対策
純正セキュリティシステムの特徴
トヨタ純正では、スマートキー、イモビライザー、オートアラームなどの基本的な防犯機能が搭載されています。ただしこれは「純正初期装備としての対応」であり、高度な手口に対しては十分とは言えません。

オートアラームとイモビライザーの役割
イモビライザーは、キーと車両に登録されたIDを一致させることでエンジン始動を制御する機能ですが、コードグラバーやリレーアタック、CANインベーダーには対応しきれない場合があります。
純正アラームもあくまでドア開閉などの基本検知にとどまり、高度な電子攻撃には弱い側面があります。

効果的な盗難防止対策とは
物理的防御の重要性
ハンドルロックやタイヤロックなどの物理的な抑止策は、携行される手間を増やし、窃盗犯に「面倒だ」と思わせる重要な防御手段です。
電子的防御の最新技術
最新のセキュリティ装置としては、リレーアタックやCANインベーダーに対応した市販のセキュリティパッケージ(例:IGLAなど)、スマートガード3のように様々な侵入手口に対応する製品も登場しています。
これらはスマートフォンや独自アプリと連携し、多層防御が可能です。
駐車環境を見直す
安全な駐車場の選び方
防犯カメラの設置、照明の整った場所、出入りの多い場所など、人目があり監視されやすい環境を選びましょう。窃盗は「目立たず、短時間で行える」環境を好むため、あえて明るく見通しのよい場所に駐車することが抑止につながります。

防犯カメラやセンサーライトの活用
自宅や使用する駐車場に、センサーライトや防犯カメラを設置することで、不審な動きが録画され、被害抑止や証拠保全に役立ちます。
盗難保険の選び方とその効果
盗難保険の基本知識
盗難保険は、盗難発生時に車両や損害を補償するもので、件数としてはアルファードの盗難は多く、被害金額も大きくなる傾向があります。保険加入によって、金銭的損失を軽減することができます。

保険選びのポイントと注意点
盗難保険を選ぶ際には、補償内容の幅(盗難だけでなくパーツ盗難や損傷までカバーするか)、免責金額、支払い対象となる条件などをよく確認することが重要です。特に条件次第では保険金が支払われないケースがあるため、契約前に詳細を把握しましょう。
まとめ:愛車を守るための多層防御

総合的な防犯対策の重要性
アルファード40系はその価値ゆえに盗難リスクが高く、純正装備だけでは対抗できない高度な手口も増えています。そのため、物理的抑止(ロック類)、電子的防御(セキュリティ装置)、環境条件、保険加入という複数の措置を組み合わせることがとても重要です。
今後の対策と注意点
犯罪手口は日々進化しています。導入したセキュリティも定期的に見直し、アップデートや交換を検討することが肝要です。また、新しい犯罪手法や対策情報も常にチェックし、安心を維持していきましょう。